篠田桃江の純粋な直線

あらゆる人に平等で美しいこと

物の見方には人それぞれの様々な方法があり、イメージのとらえ方がある。

1920~30年代にかけてのモダニズムと呼ばれる芸術の動きは、美術、文学、建築、音楽、演劇などの形式の革命でした。芸術家たちは革新的な作品により、国家や資本家の権威から自由になることを信じました。19世紀のブルジョア的な写実主義を否定し、色や平面といった直感的で純粋な要素を表現し、特定の支配におかれた価値から解放されたのです。

そうした時代から活動を続ける篠田桃江は、形式の決まり事から離れた新しい墨絵の造形を試み、「水墨抽象画」によって真の美を探求しています。著書「103歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い」では、自分の心のままに生き、危険やトラブルをうまくかわす方法、日本文学で心を救われた経験、若い人たちに伝えたいことなどが綴られています。