支配を開放する芸術家の視点
先入観を操作すれば、知らないうちに人の価値を歪め支配することが可能です。情報社会の中、新聞や雑誌、看板や標識によるイメージの情報が繰り返し視野に入ることで、自分の意図から離れ、次代の権威と結びつきながら、人の記憶に埋め込まれます。マスコミはこの価値基準を強め、ジャーナリストが批判を怠れば、その存在は確固たるものとして私たち個人に浸透してしまいます。
しかし、この支配された情報のイメージを揺るがすもの、それは美術です。例えばファン・ゴッホの「じゃがいもを食べる人々」。それは自分たちで掘ったじゃがいもを食べているという光景。手を汚して働く人々への敬意が感じ取れます。